これまでビジネスで使用するオフィスソフトといえば、 Microsoft Office が圧倒的でした。これは政府も企業も個人も同じです。ここ15年くらいで一気にIT化が進み、書類はほとんどパソコンで作成されるようになりました。こうして長年蓄積されたパソコンのデータは今では資産となっています。
とても役立つパソコンですが問題も出てきています。例えばパソコンを使うには、OSとアプリケーションソフトが必要です。作成されたデータはそのソフトのファイル形式で保存されることになります。
しかしOSやソフトはバージョンアップを重ねますので、以前に作成したデータが新しいOSやソフトでは使えないことがあります。つまり特定のOSやソフトに依存してしまっているのです。
もしOSやソフトを販売している会社が無くなったり、販売を中止したらどうなるでしょう。これまで蓄積してきたデータが無駄になります。
また圧倒的なシェアのソフトしかないと、その会社が決めた価格で購入するしかありません。ユーザーの選択肢が無いわけです。
そのような状況で2007年に大きな変化がありました。総務省の報道資料によると以下のように書かれています。
途中省略
「独自の機能、独自のデータフォーマット及び独自の方式を使用せず、国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載を優先する。」
総務省 報道資料
「情報システムに係る政府調達の基本指針」の公表
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/070301_5.html
オープンな標準に基づく要求要件の記載
http://www.soumu.go.jp/s-news/2007/pdf/070301_5_bs2.pdf
政府が ODF のようなオープンな規格を受け付けることで、企業でも導入しやすくなったわけです。StarSuite は Microsoft Office の1/10以下で購入できるし、OpenOffice.org は無料で入手できるのですから、政府、企業、個人の負担はかなり低くなります。
しかも ODF はオープンなファイル形式なので、特定の企業のOSやアプリケーションソフトに依存することはありません。ODF をサポートしているソフトならどれでも使えますので、ユーザーに選択肢ができるのです。これが ODF が注目されている理由です。